特報

2000年春、国旗国歌法成立直後。
卒業式で起立斉唱しなかった16歳の少年の、
壮絶な青春。

25完成した
衝撃作
ついに解禁。

Introduction

を揺るがす圧巻の3時間。
執念のインディペンデント大作!

1999 年、国旗国歌法強行採決抗議デモの実景ショットにてクランクインした映画『少年』。2003年まで断続的に5年間撮影が行われ、さらに編集に3年を要し2006 年にようやく仮編集版がアップ。すでに業界内で話題となっていた本作は、未完成にも関わらず2007年にドイツとスペインの映画祭から正式招待され、痛烈な社会派青春映画として高く評価されたが、完成への道は難航し誰もがその存在を忘れていった。ところが、クランクインから実に25年が経過した2024年、監督の執念により制作が続いていた『少年』が、追加シーンを加え3時間の大作となり、ついに完成したのだ。

監督・旦雄二、72歳
人生のすべてを注ぎ込んだ渾身のデビュー作。

監督は長年CMディレクターとして活躍し、専門学校にて数多くの若手育成に尽力してきた旦雄二。城戸賞受賞経験もある旦自身による緻密な脚本と、本物の“映画”を作るという執念が実り、72歳にして本作でついに劇場用長編映画デビューとなった。
主演の少年役は、後に『凶悪』『あゝ、荒野』など数多くの作品で演技派俳優として評価されることとなる、若き日の小林且弥。本作が映画デビュー作となる。
少年をめぐる2人の少女に、『二ライカナイからの手紙』『血を吸う宇宙』の中村愛美、『プラトニック・セックス』『偶然にも最悪な少年』の留奥麻依子。
また、今や日本映画界に欠かせない大女優・筒井真理子(『淵に立つ』『よこがお』)らが少年たちに対峙する大人たちとして脇を固め、名優・織本順吉、映画監督・鈴木清順ら故人の名演も貴重な見どころとなっている。
物語は混迷の90年代から連なる2000年の東京が舞台だが、アメリカンニューシネマやATGなど70年代青春映画の影響も強い本作は、孤独な少年の生きざまを通して二つの濃厚な時代を2025年に呼び戻しつつ、現代を見つめ直すきっかけを強烈に観客に突きつける、“魂の青春巨編”である。

Story

誰にも僕の心はわからない。
それとも僕が
おかしいのだろうか。

家庭や学校になじめず、カリスマシンガーMyu(留奥麻依子)のラジオにだけ心を許す、16歳の高校生・ジュン(小林且弥)。国旗国歌法成立直後の卒業式でたまたま起立斉唱しなかったことが政治行動と決めつけられ、孤独な日常が思ってもいない方向へ動き始める。そして、父親に売春を強要されている、のぞみ(中村愛美)との出会いと共鳴が、ジュンを大きく突き動かすこととなる。崩壊していく両親、権力を振りかざす教師、左翼学生、右翼団体、暴力団、そして第二次世界大戦をいまだ生き続ける要介護の祖父。様々な人々に翻弄されもがき続けたジュンは暴走し、Myuのライブの日にある計画を実行することを決意する―――

Comment

もう20年以上が経過していることに、言葉にならない感慨と記憶が蘇ります。
この映画は僕が俳優として初めて参加させていただいた作品です。演技のこともよく分からず、ただただカメラの前に立ち、訥々と台詞を喋る。右も左も分からず、我だけが強い。そんな僕を選んで、辛抱強く見つめ続けてくれた旦監督。
時を経て、僕はいまカメラの前に立つことを休み、作品を制作する側にまわりました。
監督を経験して改めて感じた旦監督の忍耐力と執念と意地。それだけでは包括できない旦監督の20年という歳月を想像すると、
この映画にはただの劇映画に収まらない何かを感じて止みません。

―――小林且弥(主演)

現代の日本を見据える痛烈な社会派ドラマ

―――ぴあInvitation

現代日本の疲弊した青春をめぐる、
悪夢のようで印象的な物語


―――ドイツ ニッポン・コネクション

ある種の人々にとって、政治活動とは自己表現であり、アートそのものだ。
つまり、絵を描いたりギターを弾いたりすることと、根本的には変わらない。
いわゆるノンポリなのに政治活動に巻き込まれた少年の徹底的な反抗は、まるで破滅型ロックンローラーのような剥き出しのシャウトを響かせたまま、危うく突き進む。
その残響が、もはやグラビティを体感させる『少年』という3時間の叙事詩は、どうしようもなく痛々しい真実を呼び覚ます。
かつて僕らは知っていたはずだ。
いつだって、大人は判ってくれない。


―――福島拓哉(映画監督)

戦後日本の負性を16歳の視点でモザイク画にした瞠目すべき作品

―――高島直之(武蔵野美術大学名誉教授・美術評論家)

72歳の新人監督が撮った長尺映画『少年』──
この触れ込みだけで、これは観ざるをえないという衝動に駆られる。古希を超えても噴出するこの監督のエネルギーには、ただただ感服するほかはない。
ダン少年、君は ()() も、高校時代の怒りを胸に生きている!

―――矢吹誠(バンブーオーケストラ創設者・作曲家)

Theater

2025.3.29SAT-
新宿 K's cinema

一般料金2000円
(学生1800円、シニア1500円、障がい者1300円)

を揺さぶるロードショー

を揺さぶるロードショー

DIRECTOR’S STATEMENT

映画の助監督からCMディレクターに転身して20年目の春、原点に立ち返って映画をつくろうと決意したとき、題材としてすぐに頭に浮かんだのは、つぎの二つでした。一つは、だれもがかならず通りすぎる、子供から大人になるあいだのほんのわずかな時間、青春という名のかけがえのない一瞬について。子供のころから感じてきた生きづらさ、他者との隔たり、この世界への違和感を、子供から大人になる過程で自分はどう克服し、あるいはどう折り合いをつけたのか、振り返ってみようと思ったのでした。

もう一つは、ちょうどそのころ強行採決で成立した国旗国歌法により引き起こされた、日本各地の公立高校卒業式での日の丸君が代起立斉唱強制問題について。一度しかない青春の真っ只中でそんなことに翻弄される少年少女たちの不幸を思いつつ、ふと浮かんで、頭から離れなかったのは、“では、個人的事情で起立斉唱できない者はどうなるんだ?”という素朴な疑問でした。この二つが結びついて、映画『少年』は誕生しました。──少年たちは、大人になる過程でさまざまな困難に直面します。揺れうごき、傷つき、まちがいを犯します。そして、そこからいかに立ちなおり、どのように大人への階段をのぼっていくのか、それもまた、少年たち一人ひとりの闘いです。そこを見つめ、描こうとしたのでした。

映画『少年』は、なかば、私の「自伝」です。ありえたかもしれない、もう一人の私の物語です。自分の青春時代を振り返り、そのころの自分の思いを塗り込めて、自分なりの、自分にしか語れない青春映画をつくりました。いまの少年たちは、私たちのころよりもはるかに苛酷で悲惨な時代を生きています。未来をになうはずの彼らがこれからどうなるのか、どこへ向かうのか、とても気がかりです。そんな彼ら少年たちに、そしてまた、かつて少年であったすべての大人たちに、この映画が多少なりとも響き、なにかを共有できたならば、作者として、それにまさるよろこびはありません。

―――旦雄二(監督)

Cast

小林且弥  

中村愛美      留奥麻依子      筒井真理子      伊丹幸雄      坂元貞美      織本順吉      鈴木清順  

米山勇樹 大鷹明良 猪熊恒和 佐藤貢三 平山久能 桐畑理佳 伊達建士 鈴木祥二郎 和田聰宏 國分正樹 中山宏治 大沼あきら 上泉和三 荒木佐知子 根岸由季 小林三四郎 新井雄一郎 近藤善揮 宮島千栄 岡村龍吾 玉置孝匡 花房青也 水谷ノブ 南雲麻祐 千田ひろし 永井正子 滝本博 山下葉子 下総源太朗 清水大敬 川中健次郎 きいちめぐみ 羽鳥名美子 Myu Live JJBバンド(福永雅人 山本正二 中林大悟 剣持潔)上田耕一 青野暉(声) 山名兌二 花房徹 | 三上眞一郎

Staff

製作・脚本・監督
旦 雄二

  

撮影・照明
中本憲政

  

録音・整音
伊藤裕規

  

音楽
成田忍

  

Myu音楽プロデュース 佐藤栄司
美術アドバイス 和田洋
キャスティング Calela
制作担当 福間智子
助監督 新里猛
衣裳 新井香織
メイク 高橋麗子・篠原志奈
ガンエフェクト アニーガン・サービス
VFX・CG・合成 秋元昌樹
音響効果 齋藤昌利
編集 旦雄二
国際版字幕 パッソ・パッソ

字幕翻訳
ジャン・ユンカーマン

  

企画協力 ブレス
特別協力 ダニーローズエージェンシー

エグゼクティブ・アドバイザー
福島拓哉

  

製作・配給・宣伝 dan
2024年/180分/日本/カラー/ステレオ/アメリカンビスタ

Media Relations

掲載・取材等お問い合わせ先
宣伝事務所 dan
Mail: the.movie.shonen.2025@gmail.com